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ほつ太朗
名古屋鉄道 モ510形 モ513+モ514
【実車解説】
モ510は1926年に日本車両で製造された美濃電初の半鋼製ボギー車です。
丸味を帯びた車体に正面5枚窓と戸袋窓の楕円窓は同車の魅力で、年齢性別を超えて愛された車両でした。
1967年、岐阜市内線と揖斐線の直通用に選ばれ、パンタグラフ化(改造前はビューゲル)やモーターの増強が行われ、直通急行の顔として活躍しました。
その後もモ510は長らく活躍していましたが、後継者の登場や老朽化に伴いモ513・モ514の2両を残して順次廃車され、最後の2両も定期運用を失いました。
しかしながらこの2両は予備車兼イベント用車両として600V線最後の日まで活躍、600V線と共に永訣の日を迎えました。
モ510は平成まで残った600V線(岐阜市内線、揖斐線、美濃町線、田神線、谷汲線)全線を走行した唯一の形式でもあり、その勇姿は今でも語り継がれています
【模型解説】
Ⅰ.前面
ジャンパ栓、エアーホース、系統板差をパーツ化しています。
まず位置修正をしたジャンパ栓ですが、明らかにモールドの位置が違いました。
この点についてはパーツ取り付け位置を実車に合わせています。
またモールドのジャンパ栓ですが、ここをきれいに取っ払ってしまうと、実車にあるジャンパ栓同士の間の平たい部分がなくなってしまいます。
ですので今回は撤去の際に切跡を平たんにしております。
また系統板差ですが、これについては両車で位置が違います。
モ513のように赤細帯の下に系統板差が設置されているのが原型です。
しかしモ514では系統板差が帯の上に来てしまっています。
遠目で見てもモ514だ!とわかる仕様なのでしょうか…(違
他にもモ513ではエアーホースを固定していた金具の位置が違っていたため、正面から見て右に大きく反れています。
両車で表情が大きく異なっていたことがお分かりいただけましたでしょうか。
Ⅱ.前照灯
モ510の前照灯は旧来のケースにシールドビームを組み込んだものとなっていますが、取り付け位置は大きく異なっていました。
モ513が本来の取り付け位置なのでしょうか。ケース台がしっかりと突き出ていて、ライトケースが高い位置にあります。
逆にモ514では屋根とライトケースがすれすれの位置になっています。連結するとあからさまな違いですね。
Ⅲ.屋根上
非パンタ側にはステップが取り付けられています。
しかしこのステップ、両車で取り付け方が異なります。
まず、モ513では左のステップが下段になっています。
しかしモ514では右側のステップが下段に設置されています。
基本的には両車とも一緒ですが、パンタ下中央から前面に向けて伸びる配管をご覧ください。
モ513は直線でそのまま屋根へ入っていくのに、モ514では少しだけ左へ曲がってから屋根へ入ります。
細かい差ですが、実車では正面から見てもわかる差ですので再現しました。
ランボード付近に関しては個体差はありませんが、自作をしています。
やはりモールドよりも屋根から突き出た感じが出ていて気に入っています。
またパンタカギ外し線も末端を丸めて自作しました。
Ⅳ. 側面
側面に関しては個体差はつけていませんが、保護棒があります。
Ⅴ. 排障器
モ510形の床下で最も車両の特徴を出しているのは排障器ではないでしょうか。
正直これがないとお顔が締まりません。
今回は福鉄用排障器をはんだ付け等の加工を実施し、モ510用にしました。
ハンダ付けは初となりましたが、うまくできて満足しています。
今回は在庫の関係で、前後となる2個のみの取り付けとなります。
【LED取り付け】
初の試みとなりましたが、やはり光るというのはかっこいいですね。
モ510は製品時代から隙間なく組むことが難しかったため、遮光には大変苦労しましたが…笑